ピーク時の会計混雑やレジ締めの負担軽減に食券機の導入は効果的な対策になります。
しかし、導入するには「初期費用はいくらかかるのか」「自店に合う機種がわからない」と迷うものです。
本記事では、食券機の種類・価格相場・主要メーカーの比較を解説します。
あわせて、2026年度に使える補助金や、失敗しない選び方までを網羅しました。読み終えるころには、自店に合う機種の候補と、導入までの具体的な進め方が見えているはずです。
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食券機とは?券売機との違いをわかりやすく

食券機は、飲食店で使われる券売機の一種です。
まずは券売機との関係や、混同されやすい機器との違いを整理しておきましょう。
食券機の定義と券売機との関係
券売機は「券」を販売する設備全般を指す言葉で、乗車券、入場券、駐車券など幅広い用途があります。
そのなかで、飲食店での食券発行に特化したものが食券機です。
飲食店向けの食券機には、キッチンプリンターと連動し、注文内容が厨房に共有される機能を持つものもあります。
発券機・精算機・セルフレジ・POSレジとの違いを整理
食券機は、発券機・精算機・セルフレジ・POSレジとよく混同されます。
特に混同されやすい機器と食券機は何が違うのかを整理しました。
と食券機の違い
発券機
- 券を発行する機能に特化した機器の総称で食券機も含まれる
精算機
- 支払いと精算に特化した機器で食券機と違い券を発行しない
セルフレジ
- お客様自身が会計を行う機器の総称
- 前払い(券売機タイプ)と後払い(食後決済タイプ)がある
- 食券機は、前払いタイプの一種にあたる
POSレジ
- 会計に加えて売上分析や在庫管理までできる機能を備えた機器
- 食券機とPOSレジを連携させることで、食券機単体では得られないデータ活用が可能
食券機導入で解決できる店舗課題
食券機の導入は、次のような店舗課題の解決につながります。
- ピーク時の会計混雑
- 人手不足によるレジ担当者の確保難
- レジ締め作業の負担
- 新紙幣・インボイス対応への不安
特に10〜30席規模のラーメン店・定食店では、ピーク時に注文と会計が同時に発生し、スタッフの手が回らなくなりがちです。
食券機を導入すれば、お客様が自身で会計を済ませるため、スタッフはオーダー内容の確認や調理に専念できるようになります。
食券機の種類と特徴

食券機は、操作方式・設置形態・会計タイミングによって複数の種類に分かれます。
自店に合うタイプを見極めるために、それぞれの特徴を押さえておきましょう。
ボタン式食券機の特徴
ボタン式食券機は、メニューごとに割り当てられたボタンを押して食券を購入するタイプです。
メリット
- 操作がシンプルで、幅広い年齢層のお客様が迷わず使える
- 一般的にタッチパネル式より本体価格が抑えられる傾向がある
デメリット
- メニュー変更のたびに、ボタンのラベルを貼り替える手間がかかる
- 対応できるボタン数(メニュー数)に上限がある
- 多言語対応や画像表示など、視覚的な訴求がしにくい
メニュー数が少なく、価格改定の頻度も低い店舗(定番メニューが中心のラーメン店など)に向いています。
タッチパネル式食券機の特徴
タッチパネル式食券機は、液晶画面上でメニューを選んで購入するタイプです。
メリット
- メニュー画像を表示できるため、視覚的にわかりやすい
- 多言語切り替えに対応しやすく、インバウンド対応がしやすい
- メニュー変更が画面データの更新だけで完結する
デメリット
- ボタン式より本体価格が高くなる傾向がある
- 画面の反応や操作に不慣れな高齢のお客様には、案内が必要な場合がある
メニュー数が多い店舗、頻繁にメニューを変更する店舗、インバウンド需要が見込める店舗に向いています。
設置形態と自動釣銭機の有無で選ぶ食券機のタイプ
食券機は、設置形態でも卓上型と自立型の2つに分かれます。
卓上型は、レジカウンターの上に設置できるコンパクトなタイプです。
高さ600mm×幅400mm×奥行250mm程度で、設置スペースを大きく取れない小規模店舗に向いています。(※標準的な小型機種の例。メーカーにより異なります)
自立型は、床に据え置くタイプです。卓上型より大型で、視認性が高く、行列ができる店舗でも案内しやすいという特徴があります。
さらに、自動釣銭機の有無によっても選択肢が分かれます。
キャッシュレス専用機
- 現金の受け渡しがなく、コンパクトに設置できる
自動釣銭機付き(循環型)
- 受け取った現金を釣銭として再利用する方式
- 釣銭の補充がほぼ不要で、レジ締め作業が早く終わる
自動釣銭機付き(収納型)
- 受け取った現金を釣銭に使わず収納する方式
- 収納容量が多く、硬貨が詰まりにくい
自動釣銭機付きのタイプは、その分だけ設置に高さが必要です。
目安として、キャッシュレス専用の卓上型が高さ600mm程度であるのに対し、自動釣銭機付きのタイプは高さ1,500mm前後になることがあります(※機種によって差があります)。
設置スペースを検討する際は、この高さの違いも考慮しましょう。
先払い・後払い・デュアル式の違い
食券機の会計タイミングには、主に2つの方式があります。
先払い式は、注文と同時に会計を済ませる方式です。ラーメン店や定食店など、食券機による会計が主流の業態でよく使われます。
後払い式は、食事の後に会計する方式です。セルフレジに近い運用方法です。
一部の機種では、両方に対応するデュアル式もあります。業態や運用スタイルに合わせて選びましょう。
食券機の新紙幣・キャッシュレス・多言語対応機能とは

食券機は、機種によって対応している機能が異なります。
特に新紙幣への対応状況、キャッシュレス決済の範囲、多言語対応は、見た目や価格だけでは判断しにくいものです。
ここでは、導入後に「対応していなかった」と気づいて困りやすい機能を解説します。
新紙幣/硬貨・高額紙幣への対応状況
食券機を検討するうえで、新紙幣・硬貨への対応状況は重要な確認ポイントです。
2024年に新紙幣(一万円券・五千円券・千円券)が発行されましたが、機種によっては新紙幣に対応していない、または改修が必要な場合があります。
特に注意したいのが、すでに食券機を導入している店舗です。 現行機が新紙幣に対応していない場合、そのままでは新紙幣を使ったお客様の会計ができません。
買い替えを検討する際は、後述する補助金制度で既存機からの入れ替えが一部対象になる点も確認しておきましょう。
硬貨についても同様の注意が必要です。新500円硬貨(バイカラー・クラッド構造)に対応していない旧型機も存在するため、導入済みの機種がある場合は対応状況を確認しましょう。
新規に導入する場合は、新紙幣・新硬貨に対応した最新機種を選べば、この心配はありません。
キャッシュレス決済の対応範囲
多くの食券機は、現金だけでなくキャッシュレス決済にも対応しています。
対応する決済手段は機種によって異なりますが、一般的にはクレジットカード・交通系電子マネー・QRコード決済に対応しています。
対応ブランドの範囲や決済手数料は、導入するメーカー・決済代行会社によってさまざまです。
詳しくは後述の「食券機の価格・費用相場」で解説します。
多言語対応・音声ガイダンスでインバウンド集客
タッチパネル式の食券機の多くは、多言語表示に対応しています。
日本語・英語・中国語(簡体字・繁体字)・韓国語など、複数言語への切り替えボタンを画面に表示できる機種が一般的です。
インバウンドのお客様が多い場合は、音声ガイダンス機能を備えた機種もおすすめです。
視覚的な案内に加えて音声でも操作をサポートできるため、案内がしやすくなります。
blaynでは多言語対応・音声案内が評価された事例も紹介しています。
インボイス・軽減税率に対応したレシート要件
インボイス制度では、食券機で発行する食券やレシートも、要件を満たしていればインボイスとして認められます。
飲食店など、不特定多数の顧客に対して販売を行う業種では、記載事項を一部簡易化した「適格簡易請求書(簡易インボイス)」の交付が可能です。
食券機を導入する際は、以下の5つの記載要件を満たせる機種かどうかを確認しましょう。
- 適格請求書発行事業者の氏名または名称、および登録番号
- 取引年月日
- 取引内容(軽減税率の対象品目である場合は、その旨の表記)
- 税率ごとに区分して合計した対価の額、および適用税率
- 税率ごとに区分した消費税額等、または適用税率
食券には購入者の宛名が記載されていなくても、上記の項目が印字されていればインボイスとして有効です。
導入前に、対応可能な機種かどうかをメーカーに確認しておきましょう。
【種類別】食券機の価格・費用相場

食券機の導入では、本体価格だけでなく、初期費用・月額費用・決済手数料まで含めた総額で考える必要があります。
導入方法別の補助金の可否とあわせて見ていきましょう。
食券機の本体価格相場の種類別比較
食券機の本体価格は、非公開・見積もり制としているメーカーが多く、公式サイトで具体的な金額を公開しているケースは限られます。
一般的な傾向として、次のような違いがあります。
- ボタン式は、タッチパネル式より本体価格が抑えられる傾向がある
- 自動釣銭機付きのタイプは、キャッシュレス専用機より価格が上がる
- 多言語対応・クラウド連携などの機能が増えるほど、価格帯は上がる
正確な価格は、店舗の構成(台数、釣銭機の有無、ネットワーク環境など)によって変動するため、個別の見積もりで確認するのが確実です。
初期費用と月額費用
食券機の導入費用は、本体価格だけでなく、次のような費用も含めて検討する必要があります。
- 設置費・工事費(電源工事、ネットワーク整備など)
- 月額費用(保守サポート、クラウド管理システムの利用料など)
月額費用の内容は機種・メーカーによってさまざまです。電話・メールサポート、データ保存、キャッシュレス決済連携、自動釣銭機連携などが月額費用に含まれるプランもあります。
リース・レンタル・中古・サブスクの導入費用と補助金の可否
食券機の導入方法には、購入以外にもいくつかの選択肢があるので確認しておきましょう。
| 導入方法 | 初期費用 | 月額 | 補助金 |
|---|---|---|---|
| 購入 | 高い | なし (保守費用は別途) | 対象 (対象製品の場合) |
| ファイナンス・リース | 低い | 契約年数に応じた 定額 | 対象 対象リース会社との 共同申請が必要 |
| 賃貸借(レンタル) | 低い | リースより高め | 一部対象 本体価格相当は対象 導入経費は対象外 |
| 中古 | 低い | なし (保守費用は別途) | 対象外 |
ファイナンス・リース(リース会社が購入した機器を、長期契約で借りる方式)を利用する場合は、対象リース会社との共同申請という形で補助金の対象になります。
中小企業等・販売事業者・対象リース会社の3者が共同で申請し、リース料が補助金相当分減額される仕組みです。
通常の賃貸借(レンタル)契約による導入も、条件を満たせば一部が補助対象になります。 年額で借料が定められて登録されている製品であれば、1年分の借料が補助対象になります。
ただし、この場合は設置費・運搬費などの導入経費は補助対象に含められない点に注意してください。
いずれの方法を選ぶ場合も、事前に販売事業者・対象リース会社へ補助金活用の可否を確認しておくと安心です。
キャッシュレス決済手数料の仕組みと費用
食券機でキャッシュレス決済を導入する場合、決済手数料が別途発生する点も押さえておきましょう。
決済手数料率は、決済代行会社やブランドによって異なります。中小企業向けの優遇料率を設定しているサービスもあれば、通常料率のみのサービスもあります。
契約前に、対応ブランドごとの手数料率を確認しておきましょう。
【比較】食券機の主要メーカー

食券機を扱う主なメーカーは、いずれもタッチパネル式を軸に、多言語対応やキャッシュレス決済に対応しています。
違いが出やすいのは、価格の開示姿勢と、対応言語数、サポート体制です。ここでは6社の公式情報をもとに比較します。
食券機メーカーの比較一覧表
| メーカー | 製品例 | 対応方式 | 多言語対応 | 決済対応 | 価格 |
|---|---|---|---|---|---|
| blayn | Mazicシリーズ | タッチパネル式 | 日本語 英語 韓国語 中国語 | クレカ・電子マネー・QR | 要問い合わせ |
| グローリー | 券職人(VTシリーズ) | タッチパネル式・ボタン式 | 日本語 英語 韓国語 中国語(簡)(繁) | クレカ・電子マネー・QR | 要問い合わせ |
| 芝浦自販機 | KC・KBシリーズ | タッチパネル式・ボタン式 | 対応 | クレカ・電子マネー・QR | 要問い合わせ |
| マミヤ・オーピー | Operal(VMTシリーズ) | タッチパネル式 | 最大8言語対応 | クレカ・電子マネー・QR | 要問い合わせ |
| 寺岡精工 | DeliousLio | タッチパネル式 | 対応 | クレカ・電子マネー・QR | 要問い合わせ |
| スマレジ | 券売機(拡張アプリ) | タッチパネル式 | 日本語 英語 韓国語 中国語 スペイン語 | クレカ・電子マネー・QR | 初期費用の構成例あり |
参照:blayn グローリー 芝浦自販機 マミヤ・オーピー 寺岡精工 スマレジ各社公式サイト(2026年8月時点)※最新の料金・詳細は各社公式サイトをご確認ください。
多くのメーカーが、価格を公式サイトで公開していません。個別見積もりが基本となるため、複数社に問い合わせて比較するのが確実です。
価格が比較しにくい分、次の3つの軸で選ぶと判断しやすくなります。
- 対応方式:ボタン式かタッチパネル式か、自店のメニュー構成や客層に合うか
- 保守体制:故障時の対応スピード、サポート拠点の数(全国対応かどうか)
- POS連携:既存のPOSレジや会計システムと連携できるか
小規模飲食店に向く食券機メーカーの条件
会計混雑や人手不足、インボイス対応などに困っている小規模飲食店では、次のような条件を満たすメーカーが選びやすいでしょう。
- 卓上型・コンパクトモデルのラインナップがある
- 多言語対応・音声ガイダンスが標準または低コストのオプションで利用できる
- 中小企業向けの補助金活用をサポートしている、または申請の実績がある
いずれの条件も、各社の公式サイトや資料請求で確認できます。複数社を比較したうえで、自店の席数・客層・予算に合うメーカーを選びましょう。
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食券機導入のメリット・デメリット

食券機は会計を効率化する一方で、接客の機会や店舗の柔軟性が失われる場面もあります。
導入後に「思っていたのと違う」とならないよう、メリットとデメリットの両方を押さえておきましょう。
食券機導入で得られるメリット
食券機を導入することで、次のようなメリットが期待できます。
- 会計待ちの解消:お客様自身が会計を行うため、レジ前の行列が発生しにくくなる
- オーダーミスの減少:口頭での注文聞き取りがなくなり、伝達ミスを防げる
- レジ締め作業の短縮:自動釣銭機付きの機種なら、釣銭の計数作業が減る
- 人手不足への対応:会計担当者を別の業務に回せる
特に効果が出やすいのは、ピーク時にレジと調理を1人で回している店舗です。会計を食券機に任せることで、スタッフは調理や配膳に専念でき、提供までの時間が縮まります。
閉店後のレジ締めも、自動釣銭機付きの機種なら現金の計数作業が減り、退勤時間の短縮につながります。
導入前に知っておきたいデメリット
一方で、次のようなデメリットも押さえておきましょう。
- 追加注文の機会損失:スタッフによる声かけがなくなるため、追加注文が生まれにくい
- 常連客との接点減:会話を通じた接客機会が減る
- 故障時の営業リスク:食券機が停止すると、会計そのものができなくなる
- 初期設定の手間:メニュー登録やレイアウト設定に一定の作業が必要
特に故障時のリスクは見落とされがちです。食券機が停止すると会計そのものが止まるため、代替手段(手書き伝票やレジ対応への切り替え)をあらかじめ決めておく必要があります。
また、初期設定は導入時だけでなく、メニュー変更のたびに発生する作業でもあるため、変更頻度が高い店舗ほど運用の手間を考慮しておきましょう。
blaynでは常連客が多い店舗でも食券機(セルフレジ)へ移行できた事例を紹介しています。
デメリットを踏まえた運用の工夫
デメリットへの対応としては、次のような工夫が考えられます。
- 故障時のバックアップ体制(予備の会計手段)を確保しておく
- 常連客とのコミュニケーションは、会計以外の場面(配膳時など)で補う
- 追加注文を促す仕組み(画面上のおすすめ表示など)を活用する
デメリットは、運用の工夫次第で影響を小さくできます。たとえば、食券機の画面に「本日のおすすめ」や「サイドメニュー」を表示すれば、スタッフの声かけがなくても追加注文を促せます。
食券機とPOSレジを連携すると何が変わるか

食券機単体でも、機種によっては時間帯別・メニュー別の売上分析ができます。
あわせてPOSレジを連携すれば、このデータを在庫管理や他店舗の情報と一元化も可能です。
食券機とPOSレジを連携するメリットを見ていきましょう。
売上・メニュー・時間帯別データの詳細分析
食券機とPOSレジを連携させることで、売上データを日別・昨対比・時間帯別など、複数の切り口で分析できるようになります。
単体でも一定の分析は可能ですが、連携によって店舗をまたいだ比較や、より詳細な集計まで踏み込めるのが違いです。
売上の高い順にランク分けできるABC分析機能があれば、メニューごとの売上順位を可視化できるのが強みです。売れ筋商品と動きの鈍い商品を区別できるようになるため、メニュー改善や価格改定の判断材料として活用できます。
売上集計は、決済されたタイミングでリアルタイムに反映されるため、店舗にいなくてもスマートフォンやPCから状況を確認できるシステムもあります。
在庫管理の自動化と発注業務の効率化
売上データと在庫データを連携させることで、発注業務の効率化にもつながります。
売れ筋商品の在庫状況をリアルタイムで把握できるため、欠品や過剰発注を防ぎやすくなるのがメリットです。
会計ソフトとの連携にも対応したシステムであれば、売上データを弥生会計・freee・マネーフォワードなどの形式でCSV出力でき、経理業務の手間も削減できます。
多店舗展開時の情報一元管理と経営判断
複数店舗を展開している場合、食券機とPOSレジの連携によって、各店舗のデータを本部で一元管理できます。
1店舗内に複数台を設置している場合も同様です。売上・商品分析・在庫の残数・メニュー情報が、すべて同期された状態で確認できます。
店舗ごと・端末ごとにバラバラにチェックする手間がかかりません。
【2026年度】食券機導入に使える補助金

食券機の導入には、国の補助金を活用できる場合があります。
代表的な3つの制度と、申請時の注意点を確認しておきましょう。
中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)の対象範囲と要件
券売機は、中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)の対象製品カテゴリとして登録されています。
対象製品は、あらかじめ登録された「製品カタログ」から選択する形式です。
カタログ注文型の概要は次のとおりです。
補助率
- 1/2以下
補助上限額(従業員数別、括弧内は賃上げ目標達成時)
- 5名以下:500万円(750万円)
- 6〜20名:750万円(1,000万円)
- 21名以上:1,000万円(1,500万円)
製品本体価格は、単価50万円以上であることが条件
既存の券売機からの置き換えも、一部対象となっています。 通常、カタログ注文型では新規導入が原則です。ただし、特定の機能・性能を有する製品への置き換えは、条件を満たせば対象になります。
申請前に事務局ホームページで最新の対象製品を確認しましょう。
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の活用
デジタル化・AI導入補助金では、インボイス対応類型でソフトウェアに加え、ハードウェアも補助対象になります。
補助率はソフトウェアとハードウェアで異なります。
ソフトウェア(会計・受発注・決済)
- 補助額50万円以下は補助率3/4以内(小規模事業者は4/5以内)
ハードウェア(券売機・レジ等)
- 補助額20万円まで・補助率1/2以内
注意点として、ハードウェア単体では申請できないことを覚えておきましょう。
インボイス対応のソフトウェアとセットでの導入が条件です。
小規模事業者持続化補助金の活用ポイント
小規模事業者持続化補助金は、経営計画にもとづく販路開拓や生産性向上の取り組みを支援する制度です。
食券機の導入も、売上分析による販路拡大や業務効率化といった事業計画の一環とすることで対象になります。単なる買い替えとしての申請では採択されにくいため、事業計画の中でどう活用するかを示すことが重要です。
開業予定者が申請する場合は、創業型を使う必要があります。 一般型は既存事業者向けの枠のため、開業前の事業者は対象外です。
創業型は、創業後1年以内の小規模事業者(事業開始前の事業者も含む)を対象とした枠です。
「まだ営業を始めていない」段階でも、次の要件を満たしていれば申請対象になります。
を活用する条件
- 開業手続きが完了していること
- 個人事業主:税務署への開業届の控え
- 法人:履歴事項全部証明書を提出できる状態
- 「特定創業支援等事業」を修了し、自治体が発行する証明書を取得していること
- 補助事業期間が終了するまでに、実際の営業活動を開始すること
開業前に食券機を導入し、補助金を活用したい場合は、開業届の提出と自治体の創業支援プログラムの受講を事前に済ませておきましょう。
補助金申請で失敗しないための3つの注意点
補助金を活用する際は、次の3点に注意が必要です。
- 交付決定前の契約・購入は対象外:交付決定の連絡を受けてから契約・購入を行う
- 中古品は対象外:新規導入の設備が対象のため、中古の食券機は補助金を利用できない
- リースは「ファイナンス・リース」を選ぶ:通常の賃貸借(レンタル)は本体価格相当のみが対象となり、導入経費は対象外です。ファイナンス・リースであれば、対象リース会社との共同申請により本体価格・導入経費とも対象になります。
補助金活用を考えている場合は、購入やリースをする前に立ち止まって条件を確認しましょう。
失敗しない食券機の選び方

ここまでの内容を踏まえ、自店に合う食券機をどう選べばよいか、実践的な視点で整理します。
これから初めて導入する店舗はもちろん、既存機からの買い替えを検討している店舗にも役立つ内容です。
業態・店舗規模別の食券機の選び方
食券機を選ぶ際は、まず自店の席数・客層を確認しましょう。
- 10〜20席程度の小規模店:卓上型・キャッシュレス専用機が導入しやすい
- 20〜30席程度:自立型・自動釣銭機付きも視野に入る
- インバウンド需要がある店:多言語対応・音声ガイダンス機能を優先
たとえば、10〜20席規模で現金中心の常連客が多い店舗の場合です。価格が抑えられる傾向にあるボタン式・卓上型が、現実的な選択肢になります。
一方、20〜30席規模で自動釣銭機によるレジ締めの短縮を重視する店舗であれば、自立型・自動釣銭機付きのタッチパネル式がおすすめです。
客層とキャッシュレス比率から考える選び方
客層のキャッシュレス比率が高い店舗では、タッチパネル式・キャッシュレス対応機種が向いています。
現金中心の常連客が多く、メニューもほぼ固定されている店舗であれば、ボタン式でも十分に対応できるでしょう。インバウンド需要が見込める店舗は、多言語対応・音声ガイダンス機能を備えたタッチパネル式が向いています。
キャッシュレス比率が高いほど、タッチパネル式が有利になる傾向があります。ただし、具体的な比率の目安はメーカーや店舗の状況によって異なります。
自店の決済実績を踏まえて、複数社に相談しながら判断するのが確実です。
予算と補助金活用可否で検討する導入方法
予算に応じて、購入・リース・レンタルなどの導入方法を検討しましょう。
初期費用を抑えたい場合は、ファイナンス・リースが選択肢になります。対象リース会社との共同申請により、中小企業省力化投資補助金の対象にもなり得ます。中古品は初期費用こそ抑えられますが、補助金の対象外である点に注意が必要です。
補助金の活用を検討している場合は、対象となる製品カテゴリ・導入方法(購入かリースか)を事前に確認しておくことが重要です。
導入後のサポート体制とメーカー選びのポイント
食券機は日常的に使用する機器のため、導入後のサポート体制も選定の重要な要素です。
- 電話・メールサポートの有無
- 故障時の対応スピード
- メニュー変更・データ更新のしやすさ
これらのサポート条件も含めて複数社を比較検討すると、価格だけでは見えない違いが把握しやすくなります。
食券機の導入に関するよくある質問(FAQ)

- 食券機の導入で削減できる業務は何ですか?
-
レジでの会計対応、口頭でのオーダー聞き取り、レジ締め時の釣銭計数などの作業が削減できます。
- キャッシュレス決済の手数料はどのくらいかかりますか?
-
決済代行会社やブランドによって異なります。契約前に確認しましょう。
- 補助金は必ず採択されますか?申請のタイミングは?
-
採択は保証されません。交付決定前の契約・購入は対象外となるため、申請のタイミングには注意が必要です。
- ボタン式とタッチパネル式、どちらが私の店に合いますか?
-
メニュー数が少なく現金中心の店舗はボタン式、メニューが多くインバウンド需要がある店舗はタッチパネル式が向いています。
- 中古の食券機でも補助金は使えますか?
-
中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)では、中古品は対象外です。
まとめ|食券機は種類・費用・補助金で選ぶ

食券機は店舗経営を大きく変える可能性を秘めています。
種類はボタン式とタッチパネル式に大別され、設置形態や自動釣銭機の有無によっても選択肢が分かれます。価格は多くのメーカーが非公開としているため、複数社から見積もりを取って比較するのが基本です。
2026年度は中小企業省力化投資補助金の対象製品として券売機が登録されており、条件を満たせば購入だけでなくファイナンス・リースでも補助を受けられます。
本記事で得た知識を元に、店舗運営の効率化と売上向上に最適な食券機を見つけてください。
不明な点があれば、専門知識を持つスタッフが貴店に最適な提案をいたします。お気軽にご相談ください。
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